美声ラボのカルテ

美声ラボのレッスンブログです。 声優を目指す生徒さんたちに向けて、講師の視点&声優事務所のマネージャー視点で、アドバイスを届けられたらと思い時折つぶやいています。

「自分でディレクションをするということ」


声優を目指す者として、ある程度力をつけた子は「自分でディレクションする」ことが大事になります。
ただ授業を受けるだけでは、横一列に同じ上達しかしません。

発した言葉に何が足りていないのか、音圧なのか、音がすべっていたのか。
どうしたらもっと聞き心地が良くなるのか、求められている今回の正解に近づけられるのか。

ひとりで現場に行っても不安にならないように、オーディションを勝ち取るために、
ナレーションなら求められているものを出せるように、
いずれは「自分の発した言葉に責任を持てる」よう、自分でディレクションを始めるべきでしょう。


「あなたならどうディレクションしますか?」

力をつけて来た生徒さんへお伺いするようにしています。

自社音声スタジオを持つ事務所の場合、マネージャーさんにディレクションして頂くこともありますが
多くの声優さんは自分でボイスサンプルを収録し、事務所に提出していると思います。

うちの事務所も、オーディションの時期関係なく業務提携している中堅さんは半年に一度の間隔、
所属の中堅さんも月1回の間隔でサンプルを共有してくださっています。

スタジオを予約する際、大きく3つのタイプから選ぶことになります。

1機材を借りて自分で録音するタイプのスタジオ
2エンジニアさんがいて、ノイズカットなど編集してくれるスタジオ
3ディレクション経験されているエンジニアさんがいて、ノイズカットなど編集してくれるスタジオ

3は稀で、声優としてお世話になったスタジオさんとご縁あって・・のケースです。
基本的には2のスタジオを利用すると思います。

その際、自分でディレクションする力が必要です。

アニメオーディションを受ける際、
1次審査用に音声資料を準備します。

台本をしっかり読み込み、「自分だったらこう演じる」と土台を作り
イラストコンテを確認して「この声質だろう!」と固めていきます。

収録当日、そのプランを持ってRECし、滑舌はもちろんのこと
「イメージしていた表現」が出来てない場合は、セリフ途中から再録します。

1発目でRECしたものが一番良かったりするケースも少なくないので
ほんとにケアレスミス(マイク吹いちゃう、滑舌があまい)などには気を付けたいところです。
表現が最高だったら、そのミスだけでNG扱いになることはないとは思いますが、
ひとつでも可能性を高めるなら、聞いてくれる審査員に親切なサンプル作りを心掛けましょう。

録音後は必ず自分の音声をエンジニアさんに聞かせてもらいましょう。
(今のを返してください、などとお願いします)
馴れっこな人は全体の雰囲気を合わせるためにも全てRECしたあとの微調整で良いと思いますが
新人のうちはケアレスミスが多いのでセリフごとに返してもらったほうが安心です。

一次審査を通過するのも本当に難関なのですが、
音声をしっかりディレクションすると通過確率も上がると思います。

ケアレスミスではなく、表現の部分で再録する場合もあると思います。

「考えていた演技プランを、何度かリテイクすることによって
ようやく納得できる資料を作れた」

という場合は、
実際お仕事したときにサンプルと同じことが出来ないと
自分を採用してくださった方々の期待を大きく裏切ることになりますので
本番までに役を自分のものにしましょう。

2次審査がある場合は、本来の実力で挑めますので、お互いに安心だと思います。

REC終了後、編集を終えたエンジニアさんから「これでいいですか?」と確認が入るかと思います。
演技について聞かれているのではなく、ノイズであったり、
演技の息継ぎをカットしてないかだったりの「編集の確認」です。

【美声ラボのボイスサンプル収録】

美声ラボのプロクラスでは、半年ごとにボイスサンプルを収録しています。
生徒さんはぜひ、私や担当の講師のディレクションをメモしてください。
「こういうチェックしてるんだなぁ」と自分で自分のディレクションする日を想像しながら
収録しましょう。

芸能事務所さんや、フリーの声優さんのオーディション用サンプル作成も立ち合っています。
対応可能な日もありますので、お気軽にお声がけください。
スタジオの予約からお任せ頂くことも可能です。

先日、うちのカワイイ声優さんからオヤツの差し入れを頂きました~!
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南ちゃんありがとう!
もぐもぐ~

ナレーションは、さまざまな種類のサンプルを前もって準備しておくことが出来ますが
アニメのオーディションチャンスは突然にやってきます。

いつも口を酸っぱくして、美声ラボの生徒さん達にお伝えしているのは
【今のうちに練習して引き出しの準備をする】【夜21時以降は声を出さない】ことです。

事務所にオーディションの募集が来た際、
そして事務所からそのオーディションを自分に振って頂いたとき
自分が得意だと思うキャラクターに応募するわけですが・・

例えば「憂いのあるキャラが大得意!」だったとしても
その憂いのあるキャラがテンション高く叫ぶとしたら?思いっきり笑うとしたら?
などなど、引き出しの準備が足りないと、
オーディション原稿を貰ってからとことん練習することになります。

そこで起きるのが、喉の問題です。
ベテランの方々は、たくさんゲームやアニメにご出演なさっていますから
出演のたび1つのキャラクターが調整(完成)できており、
担当した本数のたびどんどん引き出しが増えていきます。

叫びをどれだけやれば喉を傷めるのか、調整しながら練習することができます。
むしろ、叫びはほとんど練習しないかもしれません。(OKテイクの感覚があるので)

新人とはいえ、オーディションはベテランの方々と同じ土俵に立つものですから
時間のあるいま、どれだけ準備するかが非常に大事です。

原稿を貰ってから練習するのも大事ですが、貰うまでに出来ることは
徹底して準備しておきましょう。

夜21時以降に練習しない、というのは本番もそうなのですが
喉の回復時間を計算しないと、どんどん喉を傷つけていき、
頭で思っている声が出せないこともあります。

いま出来るうちに、1つのキャラクターを深く掘り下げていきましょう。

また、原稿を平面で表現しないこと。
この声ならいける、というものでもありません。

感情を入れるだけではなく、どんな動きをしているのか
実際に動いてみましょう。

立ち上がる時はお腹に力が入る、そうすると肺から出る呼吸量が変わる、
その呼吸量で感情をいれる。
ここから声優として、キャラクターに沿った感情のうえに声をのせます。

皆さんオーディションの前後は、必ず良い集中力を発揮します。
普段、日常的にも集中力を持ってどれだけ練習しているかが本当に重要です。
せっかく振ってくださったチャンスを逃がさないようにしましょう。
事務所から提出できる枠も限られているかもしれません。

次回もお声掛けいただけるよう、日々の生活の中で出来ることから1つずつ始めてみましょう。
意志あるところに道はひらきます。
瞬間・瞬間に情熱を持ち、がんばりましょう!

2019年の地上波CMに続き、
2020年、2021年も美声ラボからCMナレーションを担当する生徒さんが生まれました。

生徒さん達のボイスサンプルをお預かりしているなかで、
クライアントの希望にマッチしたサンプルがある場合
美声ラボとして提出しています。

ナレーションはほぼサンプルで決まりますので
さまざまな種類をストックしておくと良いでしょう。

また、ナレーションは当日、ちょっとした台本変更もありますので
柔軟に対応できる力も必須となります。
引き出しのストックを増やしておきましょう。

メールのやりとりなど、レスポンスの速度も大切です。
急ぎの案件の場合、僅かな差で違う人に決まることもあります。

普段から、かならず確認できるメールアドレスを作っておくと
良いかなと思います。

本科生徒さんの感想です。
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声量が増えてきましたね!
呼吸量が増え、お腹の圧をコントロールできるようになると
キャラクターの声色がつけやすくなります。
楽しめる悪い役で思いっきり感情を開放し、
音を左右に飛ばしたり身体を使った音もどんどんトライしていきましょう。
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演技は正解がひとつでないところに面白さがあります。
頭で想像していることを、表現できるようお手伝いできれば幸いです。
表現のパターンをたくさん吸収して、それぞれの演出家の「正解」を
出せるよう頑張りましょう!
ナレーションですが、もう少し声量が出てくると音をコントロールしやすくなります。
とても綺麗な声質ですので、語尾をおさめたり、ウィスパーの音圧を出したりできるよう
発声練習もファイトです!
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イメージを表現できるようになるのが、第一段階の目標です。
頭では出来ていても、実際に声に出すとそのイメージと違ったりします。
ここは、必ず克服できると私は考えています。
台本は丁寧に読み込めていますので
いま直近でクリアしたいスキルとしては、
①安定した声を出せるようになること(よれない、裏返らない)
②、①の地盤の上に、表現を乗せること
以上の2点です。
あらわしたい表現によっては、声帯と口腔内、舌の扱い、お腹の圧のコントロールが
必要となりますので、(ここは都度キャラや表現に添って細かくお伝えします!)
①はしっかりと自宅練習も重ねていきましょう!


今回の感想は以上となります。

今月は、私のほうも新ジャンルでの制作にチャレンジしています。
音声収録は、プレイヤー側も制作側もとても面白いです。
声優の技術や知識を、いつか皆さんもいろんな場面で活用して頂けるかな・・?
と思っています。

だんだん暑さが本格化してきました。
皆さん、水分をこまめにとって今日も頑張りましょう!

新宿3丁目駅から徒歩3分の場所に美声ラボの教室が移転しました。
音をデッド環境に近くし、さらに指導が現場寄りになっています。

また、平日も稼働し皆様が必要とするタイミングに添えるようになりました。
収録前やオーディション前にご活用頂ければ幸いです。

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今週は、美声ラボの新しい稽古場探しやトイプリッズのお仕事立ち合いを数件行っておりました。
※画像は、ボンジュール鈴木さんのラジオ収録現場です。

美声ラボの新設稽古場は、マイク前の立ち回り等々、新たな要素を習得できるように
やや広めの場所を探しておりますが、
オリンピック前の物件高騰期より広さと家賃の兼ね合いが難しくなっています。
他にも防音工事をどうするのか、通いやすい立地はどこなのかなど楽しみながら悩んでおります。


【本科後期:生徒さんの感想と先生からの返信です/担当古川講師】
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感想は以上になります。
皆さん、今週も練習のほどよろしくお願い致します!

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マンツーマン美声ヨガの生徒さんより
お菓子のお土産を頂きました~!
いつもありがとうございます。
左側のお菓子を2ndの生徒たちで頂きました☆
凄くおいしくてビックリしました!

古川

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